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有力出店者らが新団体、楽天市場出店者友の会「楽天と対話しよい売場に」

2020年 3月16日 13:30

 楽天市場の有力出店者らは4月上旬をメドに新たな団体「楽天市場出店者友の会」を新設する。定期的に楽天の三木谷社長ら幹部と意見交換し、出店店舗の意見を反映した提案を行うなどし、楽天市場を利用者にとってよりよい売り場にしていきたいとする。また、各店舗の業績アップに役立つ勉強会の開催や各店舗への情報発信などを行っていく考え。設立当初は有力出店者である大都の山田岳人社長ら100人超が参加する予定。

 同団体の設立に伴い、3月5日に都内で開催した記者会見に出席した山田氏ら有力店舗11社の代表者(=写真)らは、楽天市場が実施予定の送料無料となる購入額を税込3980円で統一する施策「送料込みライン」を巡って一部出店者で組織する楽天ユニオンが反対意見を表明し、公正取引委員会に優越的地位の乱用にあたると排除措置命令を求める動きを見せるなど、楽天と出店者が対立関係にあるとの見方について「一部の店舗の声だけが取り上げられることに違和感があった」「楽天ユニオンの主張は(楽天市場出店者の)総意ではない」とした上で、「我々は(送料込みライン施策に)賛成。消費者にとって分かりやすい施策であり、楽天市場全体の流通総額が増えることはプラス」とした。友の会では2月18日に三木谷社長らとビデオ会議アプリを介して直接、話し合いを持ち、新型コロナに関連して多くの出店者で物流体制が混乱していることなどを理由に送料込みライン施策について3月18日からの一斉スタートに配慮を求める意見などを進言するなどしているが、今後も同様に「楽天と対等な立場で対話しながら一緒に考え、楽天市場をより魅力あるものにしていきたい」としている。

 また、公取委に「私たちの意見を伝えてきたい」とし、参加店舗の意見の収集を行うなど準備を進めていることを明らかにした。

 なお、公取委は楽天が新型コロナ対応で3月18日からの送料込みライン施策を準備の整った店舗だけでスタートすると発表したことなどを受けて緊急停止命令の申し立てを3月10日に取り下げている。

 現状、友の会への参加数は設立準備委員会メンバーである「DIY FACTORY ONLINE SHOP」を運営する大都の山田氏のほか、「イーザッカマニアストアーズ」の今石雄介氏、「etre! par bleu comme bleu」の松田英昭氏、「京都きもの京小町」の村井洋仁氏、「くまもと風土」の吉永安宏氏、「米・雑穀のみちのく農業研究所」の長濱洋平氏、「SILVER BULLET」の高木孝氏、「Chuya―online」の高尾太郎氏、「ドライフルーツナッツ専門店 小島屋」の小島靖久氏、「新潟の日本酒と甘酒 越後銘門酒会」の原和正氏、「帽子屋 QUEENHEAD」の久保雅也氏、「森水木のラン屋さん」の宮川将人氏のほか、「腕時計のななぷれ」や「おいもや」「白鳩」「よなよなの里」など楽天市場の有力店舗の代表者ら118人が発起人リストに名を連ねている。年内に5000店舗の参加を目指す考え。
 
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