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「流通総額は19%増に」【auCL・八津川博史社長に聞く 2021年のauPAYマーケット㊤】 「スマプレ」ユーザーの利用増

2022年 1月13日 11:30

 auコマース&ライフが運営する仮想モール「auPAYマーケット」の2021年における流通額は、前年比19%増となったようだ。昨年は体験型商材の取り扱いを始めたほか、吉本興業との連携などライブコマースを強化。競合となる他の仮想モールとの差別化を明確に打ち出している。この1年の取り組みを同社の八津川博史社長に聞いた。
 







 ーー2021年を振り返って。

 「au経済圏の拡大を力強く進められた1年だった。『auスマートパス』アプリとの連携や、スマートフォン決済『auペイ』アプリとの連携など、強化ができた。Pontaポイントを最大1・5倍に増量する『お得なポイント交換所』が強力な武器となっており、これを利用してもらうことで、Pontaポイントをよりお得に当モールで使うことができる。交換所の活用を前に進めることができたのが大きい。また、昨年9月からUQモバイルの店舗においても、auショップと同じような形でモールへの入会勧誘を開始した。auとは客層がやや異なるため、新規顧客獲得に向けて大きいのではないか」

 「体験型サービスの取り扱いも開始した。新型コロナの影響を大きく受けた分野だが、緊急事態宣言が9月末で解除されたこともあり、上質なサービスを求めるユーザーに向けてアピールすることができた。ユーザー予約した際に決済するモデルという点が店舗にとっては大きなメリットになっており、店舗からの引き合いも強かった」


 ーー流通総額は。

 「具体的な額は非公表だが、2020年との比較で19%増だった。20年は”巣ごもり需要”の影響が大きかったので、やや成長は落ち着いた。一方、有料の優待サービス『auスマートパスプレミアム(スマプレ)』会員の購入額は同26%増となっており、基盤強化は順調に進んでいる。スマプレ会員限定の送料無料商品や、毎月『3の付く日』に行う『三太郎の日』特典など、会員にメリットがあるプロモーションを行っている点が大きい」

 ーー20年にあった”巣ごもり需要”の反動はなかったのか。

 「カテゴリーによってはあったが、緊急事態宣言が明けて動く商材が変わったこともあり、全体としては成長した。アウトドア用品やゴルフ、釣りなどが力強く伸びている。一方、コロナ禍で生活そのものが変わった部分もある。例えば『宅飲み』関連は、コロナ禍が落ち着いてからもそれなりに高い水準で伸びている。また、昨年獲得した新規顧客のリピート率も高い水準を保っている。高年齢層の利用も増えており、ある程度継続して利用してもらえてる」

 「体験型商材に関しては、緊急事態宣言下では強いプロモーションを打ち出しにくかった。今後は形のある商材と『コト系』商材をクロスユースしてもらうべく、提案していきたい」


 ーースマプレはauユーザー以外も入会できるようになった。

 「他キャリアの会員も増えてはいるが、成長率という観点でいうと、スマプレ会員かつauユーザーの伸長率が高い」

 ーーコロナ禍を経て顧客層に変化はあったか。

 「もともと女性がやや多いモールだが、コロナ禍を受けて男性、特に高年齢層が増え、定着しているようだ」

 ーーそういった新規客は、これまでネット販売を利用していなかったのか、それとも競合モールを利用していたのか。

 「詳しい分析はできていないが、あまりネット販売を利用していなかった層が多いのではないかと思う。体験型商材が伸びてくれば、また顧客層が変わってくるのではないか」

 ーー昨年10月には通販サイト「auウォレットマーケット」を閉鎖し、auPAYマーケット内の「ダイレクトストア」に引き継いだ。

 「ウォレットマーケットを利用していた顧客のauPAYマーケットへのスイッチは、かなり時間をかけてキャンペーンを展開してきたので、スムーズに利用してもらえているのではないか」

 ーー直販は伸びているのか。

 「店舗ではカバーしにくい分野を中心に、一定の成長をしている」

 ーー20年末にはアフィリエイト制度を導入した。

 「制度開始直後と比較すると、2倍くらいの水準となった。カテゴリー別では『コンタクトレンズ・カラコン』『スイーツ・お菓子』『スポーツ・アウトドア』『スマートフォン・タブレット・モバイル通信』『ダイエット・健康』『ビール・ワイン・お酒』が特に伸びている」

 ーーアフィリエイト制度に対する店舗からの反応は。

 「プラスの声・マイナスの声が強くあるわけではなく、一つの集客・販売チャネルとして受け入れられているのではないか」(つづく)


 
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