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厚生労働省 健食の被害収集強化へ、「因果関係不明」も含め収集

2022年11月25日 11:00

 厚生労働省は、「いわゆる健康食品」の健康被害情報収集を強化する。製品名、成分名は非公開とするなど、関係団体の強い反発を受け大きく後退した。ただ、「製品1」などの種別で、同一製品による情報収集・公開は行う。因果関係が不明なものも含め収集する方針。情報の集積を待ち、「指定成分追加」の要否も適宜検討する。

 
 薬事食品衛生審議会(食品衛生分科会新開発食品調査部会新開発食品評価調査会)傘下のワーキンググループ(WG)で検討を進めていた(本紙1870号既報)。11月14日、検討結果を調査会に報告した。

 「いわゆる健康食品」の健康被害情報は、「受理年月」、「性別」、「年齢」、「主な症状」で整理する。製品名・成分名は公表せず、同一製品ごとに「製品1」「製品2」などの種別で公表する。因果関係は、「強く疑われる」、「否定できない」、「おそらくない」、「情報不足で判断不可」の4区分で判断する。因果関係が疑われる事案は、指定成分候補として検討。その段階で製品名・成分名を公表して注意喚起する。内容により販売禁止などの措置も検討する。

 調査会は、被害情報の公表を「大きな一歩」(座長=曽根博仁新潟大学大学院医歯学総合研究科教授)と評価。「製品・成分名は非公開だが、同一製品で被害が重複した場合認知できる」(同)とした。

 現在の収集体制は、厚労省が2014年に発出した対応要領に基づく。行政の対応、医師の報告義務を示すもので、事業者は任意に報告など対応の要否を判断する体制にとどまる。調査会委員からは、報告が低調な背景に「因果関係が不明なため報告しないとの意見が多い。分からない段階でも報告を求めるべき」との意見があった。WGが検討した被害情報が14例と少なく、関連性を検討できないとして、「報告数を増やす仕組みの充実が必要」、「因果関係が不明でも集積すれば因果関係が疑われる場合もある」などの意見もあった。委員として参加する日本医師会、日本薬剤師会も改めて周知する方針で一致した。

 ほかの委員からは、「いわゆる健康食品の定義を明確にすることで収集体制がしっかりできる」、「使用方法の問題もある。情報収集することで、使い方の注意点もメッセージとして発信できる」などの意見があった。

 情報公開は、風評被害を招く懸念も指摘される。曽根座長は、「国民のリテラシー向上、報道の問題もあり、科学的に妥当な注目の仕方をしてもらう。適格なリスクコミュニケーションが重要」とした。

 厚労省は、事業者に被害報告義務を課す「指定成分含有食品制度」(指定4成分のみ)を例に、これを「いわゆる健康食品」全般に広げることを検討していた。


自民党島村大議員、健食の有効活用を要請

「国民目線ない」、国の消極姿勢に注文

<参議院・消費者問題特別委>


 「有効活用の観点でより踏み込んだ対応をお願いしたい」。意見が交わされたのは参議院・消費者問題に関する特別委員会。11月16日、質問に立った自民党の島村大議員は、健康食品をめぐり、消極的な対応にとどまる国に注文をつけた。

 現状の対応は、厚生労働省が健康被害の発生時、消費者庁は保健機能食品など制度運用のみにとどまる実情を答弁から引き出し、「国民目線の対応が見えてこない」と追及した。

 厚労省は、「指定成分等含有食品制度」の運用実績をもとに、これを健食全般に広げることを検討していた。「問題が起きた時だけ『はい厚労省です』というのはおかしい。国民は日頃の利用時から体調の変化を感じたりしている。安心安全だけでなく、どのように服用するかもしっかり向き合ってほしい」と要望した。議事運営にも「健康被害のエビデンスが明確な場合は当然だが、お腹が緩むなど軽症のケースから専門家を集め、成分の良し悪しを議論するのは性急で行き過ぎ。事業者の視点も踏まえるべき」と指摘した。

 消費者庁に対しては、「消費者目線といえるか疑問。もう少し踏み込み、医薬品、健食の役割を明確にした上でさらに活用すべき」と注文をつけた。

 健食の利用者は国民の4~6割に達し、生活に浸透する。質問は、国に摂取上の不安を解消する前向きな対応を求める趣旨。健食は、医薬品と食品の境界を示す通称「46通知」で、「用法用量」の表示は禁じられている。このため、1日の「摂取目安量」の表示のみで最適な摂取時期は踏み込めない。

 島村議員は、トクホの許可実績が豊富で市場に浸透するキシリトールガムを例に「ただ噛めばよいのではない。有効なのは食後。フィンランドの小中学校では給食時に全生徒に食後に噛んでくださいと配られる」と説明。「そうしたやり方も一つ。安心安全は当然だが、どう有効活用するか。国として健康増進を図るバックアップが少ない。こうした取り組みが社会保障費や医療費の削減につながる」とした。

 島村議員は、神奈川県選挙区選出。歯科医師。政策テーマの一つに健康寿命の延伸を掲げる。「健康食品は定義がない。国が法律上、関知していないものについて、事業者の力で健康なものを国民に提供してくださいという状況。法律上担保がないことをしっかり考えなければいけない」との問題意識から質問に立った。
 
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