通販専門放送を行うQVCジャパンは12月15日から、同社のチャンネルで放送する通販番組で出演者が話す声をリアルタイムで文字表示する字幕放送を開始した。まずは4K放送の一部番組のみで表示をスタートした。聴覚障がい者らに対応する取り組みとしている。
 





　字幕放送の仕組みは放送局に特化した基幹システムなどの開発・販売を行うユニゾンシステムズとともに開発したもので、通販番組に出演する司会者や紹介商品のメーカーの担当者らの声をAIが自動的に文字に起こし、ほぼリアルタイムで番組画面上に字幕として表示する(画像)。

　出演者の話し方や商品名などQVC固有の表現などについて事前に音声取り込みAIに学習させることなどで実際の音声と乖離の少ない文字を表示するという。また、”相づち”などを省き、必要な情報のみを字幕化することで、「視聴者にとってより分かりやすく、また、必要以上に画面上に字幕を表示させないことで番組の視聴を阻害しないように工夫した」(ユニゾンシステムズ)という。

　なお、視聴者はテレビリモコンの字幕ボタンで字幕の表示・非表示を切り替えることができる。

　字幕放送に対応している番組は同社の4K放送のうち、午後1時から5時までの生放送番組となる。今後、字幕放送対応番組を徐々に増やし、今年末までに全番組に対応させることを目指す考え。

　字幕放送の対応で聴覚に障がいのある人も番組を楽しめるようにするほか、音声が聞き取りにくくなった高齢者向けにも効果的とみているようだ。

　なお、今回の字幕放送のシステムを共同開発したユニゾンシステムズによると、今後はテレビ通販を含む他の放送局にも、それぞれでカスタマイズをした上で同様の字幕放送の仕組みを提供していきたいとしている。