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健栄製薬 化粧品通販に参入、強み持つオリーブオイルを展開

2023年 3月 2日 11:00

 健栄製薬が通販に参入した。医薬品で長く展開実績のあるオリーブオイルの精製技術を活かした化粧品を展開。医薬品クオリティや時短ケアの訴求で子育て世代の女性層の獲得を進める。

 








 身体や髪など全身に使える「オリーブオイル」(=画像、55ミリリットル、税込990円)、顔の保湿ケアに使用する「エキストラバージンオリーブオイル」(30ミリリットル、同2750円)の2アイテムを展開する。「オリーブ―」は、精製を重ね純度を高めており、さらっとした使用感で肌への負担も少ない。「エキストラ―」は、オリーブの豊富な美容成分が特徴で、乾燥肌の悩みに対応する。

 昨年12月に自社通販サイトを立ち上げた。ウェブやSNSを中心に展開。「タイパ(タイムパフォーマンス)」や時短を意識する子育て世代、30代以降の女性を中心に、ウェブメディアを通じたPRで認知を高め新規獲得を進めている。現状は、40~60代女性を中心に顧客基盤の構築が進む。「立ち上げ当初で顧客獲得数はこれから。現状の訴求で支持は得られており、一定の感触は得ている」(同社)として検証を重ねる。

 健栄製薬は、アルコール消毒薬や保湿剤の研究知見に強みを持つ。これまでも医療機関向け商品の知見を活かし、一般向け商品を展開するなどノウハウがある。乾燥肌治療薬の「ヒルマイルド」、「ベビーワセリン」などのブランドが知られる。

 医薬品のオリーブオイル製剤でも、50年近い実績がある。ドラッグストアルートを中心に展開してきたが、美容目的で利用する消費者もおり、要望が寄せられていた。化粧品として展開することで積極的な販売に転じる。

 すでにオリーブオイルの化粧品は、複数の通販企業が展開する。健栄製薬では、原料受け入れの検査基準など品質管理、精製技術の強みを活かし、医薬品クオリティで差別化を図る。将来的に、既存の自社ブランドの横展開、通販限定商品の展開など総合ECの展開で事業基盤の確立を目指す。

 通販の展開は、初めて。ドラッグストアや薬局ルートでは全国に販売網を持つが、流通補完を目的に通販参入を検討していた。コロナ禍のEC需要の高まりを受け、本格的に乗り出す。ここ10年ほど、化粧品領域への進出を強化しており、展開商品の構成も化粧品は約半数にまで増えている。

 今後も独自の研究知見を活かし、化粧品領域で商品の拡充を視野に入れる。

 
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