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オルビス 自然派化粧品立上げ、摘果・花の成分活用、流通開拓へ

2023年 7月 6日 12:00

 オルビスが新ブランド「CLEANENCE(クリーンエンス)」を立ち上げた。独自のアップサイクル理論をコンセプトに開発。摘果や摘花で間引きされた果実や花から抽出した成分を商品に採用する。オーガニックナチュラル志向の顧客をターゲットに自社通販のほか、外部ECや店舗流通などBtoB領域で販路を拡大していく。
 








 初年度の売上目標は開示していない。

 商品は固形石鹸(洗顔料、税込3080円)と、拭き取り化粧水(同3850円)の2アイテムを展開(=画像)。いずれも化粧品の自然・オーガニックに関する基準である「ISO16128」に基づく指数表示で「自然由来指数90%(水を含む)と表示する。7月1日に発売した。

 オーガニックナチュラル層は、新たな時代の価値観に対する感度が高く、機能だけでなく、ホリスティックビューティとしての充足感、ファッション感覚で製品を見る傾向、ブランドストーリーへの共感が興味喚起につながるとみる。このため、SNSの情報発信や親和性の高いメディアへの露出で認知を図る。

 配合成分は、本来、不要とされるものに価値を見出し、環境だけでなく、肌に効果的なものに昇華させる独自のアップサイクル理論をコンセプトにする。不要になった老廃物を細胞に必要なものに変換する「オートファジー機能」に着想を得た。

 原料は、果実や花の生育過程において行われる「摘果」や「摘花」作業で、産業的価値のなくなった果実や花を使う。固形石鹸は、くすみの原因にアプローチするイチゴ花エキス、紫外線や乾燥など外部刺激から肌を保護するイチジク樹皮エキスなどの保湿成分を配合する。拭き取り化粧水は、モモ果実エキス、イリス根エキス、キャッサバ由来のトレハロースなどの保湿成分を配合。肌表面を潤いで満たすベーシックケアを行う。このほか、アップサイクル原料ではないが、気になるごわつきをほぐす植物由来原料を配合。クイックケア(即効性)との両立を図った。

 環境配慮を意識するSDGsをはじめ、美容分野でも自然との共存を目指す「クリーンビューティ」が注目されている。

 ネットリサーチツール、サーベロイドによる調査(25~39歳、601人)では、「クリーンビューティ」の認知総は約24%。一方生活に取り入れている割合は、4・7%にとどまる。オルビスは、価値観への共感はあるものの、肌への効果や品質への懸念があると分析。「環境によいもの=肌に効果的なもの」となるスキンケアの浸透を目指す。

 「ISO16128」に基づく自然由来指数は、日本化粧品工業会が定めたガイドラインに準拠して自己認証で表示できる。
 
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