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「auPAYマーケット」の「ベストショップアワード2023」の上位2社に聞く・受賞の理由と今後

2024年 3月28日 12:00

 auコマース&ライフ(=auCL)が運営する仮想モール「auPAYマーケット」は3月19日、出店者の中から優秀店舗を表彰する「ベストショップアワード2023」を発表した。グランプリを受賞した「お酒のビッグボス」を運営するいづみやの原口紀克執行役員と、2位を受賞した「リカーBOSS」を運営するモリフジの梶沢佳孝副社長に受賞の理由や今後について聞いた。(3月19日開催の表彰式でのコメントや報道陣との一問一答から要約・抜粋)
 
いづみやの原口執行役員
顧客主義で支持

 ーー4年連続でグランプリを受賞した。要因は。

 「顧客が何を求めているのか、どんなご意見があるのかという点を重視して様々な施策を組み立ててきた点が大きいのではないか。メール対応やメルマガも、内容を検証して一番喜んでいただける形を継続している。代表の村井(村井祐之代表取締役)は『あえて面倒なことに取り組もう』という考え方。その方針をスタッフ全員が共有し、一つひとつ、しっかりと対応してきた結果だと思う」

 「今回は(評価項目のひとつである)お客様投票の数が断トツで多かったと聞いている。非常に嬉しく、やりがいを感じた」

 ーー業績面は。

 「24年3月期におけるEC売上高は約60億円の見込み。そのうちauPAYマーケットが40~50%を占めており、優先順位は一番上だ。ただ、これまでは大きく数字を伸ばしてきたが、23年は対前年で微増となり、やや足踏み状況が続いている。リピーターが多い点は確信しているが、今後は新規獲得のため集客面の施策に大いに期待したい」

 ーーauPAYマーケットでの販促手法は。

 「auPAYマーケットが(原資を負担して)発行するクーポンは回数も金額も大きい。顧客にメールなどで告知する際は、クーポンを利用するといかにお得に購入できるかという点を分かりやすく伝えるよう意識している。クーポンによっては利用条件や規約などが複雑な場合もあるので、その点も短い文章で簡潔に伝えて利用を促している」

 ーー配送面での取り組みは。

 「出荷は自社のほか、近所のロジスティクス2社に委託している。アマゾンでも近所のスーパーでも同じ商品が販売されている中で、当社にできることは『早く届ける』に尽きる。それがレビューの評価となり、リピート率にも繋がっていくので、そうした取り組みに対応していただける取引先を選んでいる」

 ーー1位と2位が酒販店だった。

 「仮想モール全般で酒・ドリンク類は伸びている。特にauPAYマーケットでは、ポイントを上手く活用すると酒類はおそらく最安値になる。このメリットが世間に広く浸透すれば集客にも繋がるだろう。今回の順位に甘んじず、引き続き努力していきたい」

モリフジの梶沢副社長
自社配送の強み活かす

 ーー受賞理由をどう分析しているか。

 「有料の『auスマートパスプレミアム(スマプレ)』会員向け施策が追い風。例えば『5000円購入で500円割引』といった会員限定クーポンの使い道として、当店で扱う酒類やソフトドリンクは最適だ。この傾向は2~3年続いている」

 ーー好調の要因は。

 「12時までの注文で即日配送など、自社配送を主軸にした配送業務に注力してきた成果が出てきている。どの仮想モールも出荷のタイミングは同じだが、特にauPAYマーケットの顧客は(即日配送が)レビューの評価にもつながっていると感じるので、スマプレ会員の注文は即出しするようにしている。『”リカボス”で買ったらすぐに届く』という実感が、ボディブローのように効いているのだと思う。実際、リピート率も高い」

 ーーauPAYマーケットの強みは何か。

 「実質価格で言うと、スマプレ会員が一番安い価格で(酒類を)買っている。ポイントやクーポンを含めるとリアル店舗より安いケースもあるだろう。これが実現できているのはauの力なので、我々としては引き続き投資していく。一方、要望したいのは集客面の拡充だ。イベントや企画の実施、プッシュ型の柔軟性をもった取り組みができる機会を頂けると、当社としてもより展開しやすくなる」

 ーー業績面は。

 「23年9月期のEC売上高は120億円。前期比で約10%伸びた。そのうち、auは20%弱で、まだまだ伸びると考えている」

 ーー今後の施策は。

 「コロナ禍で一気に需要が拡大したため、約2年前に富山県内に新センターを設け、大幅に商品ラインアップを増やしてきた。12月には富山県内にセンターを新設する。ナショナルブランドを多く取り扱っているので、顧客のニーズに応えられるよう準備していく」

 
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