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ウェブ集客を強化へ【ユーキャン 通販事業の現状は?】 テレビCMやDMから送客、今期はサイト統合も

2024年 3月28日 12:00

 ユーキャンは、EC限定品を軸にウェブ集客を強めているほか、テレビ通販の活用にも乗り出している。今期は複数ある通販サイトの統合も計画するなど、通販ブランドの浸透と基盤強化を図る。

 同社の通販事業は、DVDなどの映像商品やCD集、大型書籍などを扱う文化教養事業と、日々の暮らしを心地よくする生活雑貨を提案するココチモ事業を展開している。

 2022年後半から巣ごもり需要が減少し、昨年はその流れが加速。同社の通販事業にとっても23年12月期は厳しい事業環境が続いた。

 前期は、年初にテレビCMと新聞広告を活用したメディアミックスの大型プロモーションを展開したが、とくにCD・DVDなど文化教養事業のソフトコンテンツが振るわなかった。ココチモ事業で展開した生活雑貨系の商品は目標を達成したものの、通販事業全体では苦戦したようだ。

 そうした中でも時流に合わせ、文化教養事業では「綾小路きみまろの笑撃ライブ!CD」や「世界の絶景100DVD」など、笑えたり、旅に出たくなったりする商品の販促を追加施策として実施。ココチモ事業でも女性用のリュック「カナナリュック」を新聞広告で展開し計画未達分のリカバリーに努めた。

 下期は、オーディオ機器の「ビクターウッドコーンオーディオ」を大々的に展開し、「メディアミックスの手法で8万円台後半という高額商品が動いたことは一定の評価ができる」(手島篤志執行役員)とする。

 ウェブ強化策では、EC限定で「ビクターウッドコーンオーディオ」本体の下に敷くオーディオボードやモニターヘッドホンをセットにしたプレミアム3点セットを提案して完売。そのほかの商品でもウェブ限定カラーを展開し、売り上げの底上げにつなげた。

 ウェブ受注の比率は年々高まっており、限定カラーや限定セットについては新聞広告では打ち出していないものの、既存顧客に向けて同時期に送るDMには掲載してウェブ限定アイテムの認知度アップを図っている。

 また、テレビCMでも”詳しくはウェブへ”としてテレビからECに誘導するテストも始めるなど、さまざまな送客方法を検証しているところだ。

 通常は”詳しくは本日の朝刊で”と新聞に誘導するため、シニア層がメインターゲットとなるが、ウェブ誘導する際は少し若めの層にも響く商品として、ほかのアイテムと比べてウェブ購入比率が高い「しゃべる地球儀」などをテストした。ウェブ誘導のテストではギフト需要を喚起する内容も盛り込み、CM構成自体も変更した。

 今後は展開商品も含めて検証し、ウェブ誘導を拡大したい考え。

 加えて、前期は90秒のテレビ通販をBS放送中心に複数回実施し、一定の成果があったという。

 テレビ通販では「三山ひろしの世界CD全10巻」や「福田こうへいの世界CD全10巻」「綾小路きみまろの笑撃ライブ!CD」といった個人全集をメインに展開。競合商品との差別化を図るために本人が登場して商品を紹介してもらったり、冊子をつけたりもしている。

 ユーキャンによると、90秒のテレビ通販は演歌系の番組の後に放送するなど、視聴者層を狙い撃ちしやすいというメリットがあるようだ。

 一方、天然素材や日本製にこだわったファッションブランド「着心地のいい服」は年々、着実にユーザー数が増えて定着しており、前期も販促を強化。昨年7月に西日本エリアで15段の新聞広告とテレビCMを展開。ヒット商品の「涼感五分袖ハイネック」を提案した結果、同ブランドで新聞広告を介した顧客獲得数としては過去最大だった。

 同社では、当該アイテムのようなエントリー商材を増やし、プロモーションも強化することで、さらなる新客獲得とリピート化を目指す。

 通販事業は今期、「劇的な変化・進化」をテーマに設定する。前期のテーマ「融合一体」では、商品開発、ウェブ、営業、フルフィルメントなど、通販施策に関係する全部門がコミュニケーションをさらに密にし、一体化する取り組みで、強い商品の開発・マーケティングにつながるなど成果があった。

 今期は文化教養事業とココチモ事業で別々になっているサイト、サービスなども含め統合していき、通販ブランドやマーケティング、会員制度などの強化につなげる。

 商品面では、文化教養事業のソフトコンテンツはユーキャンならではの企画力を活かした講和集や音楽全集などの開発に再度注力する。ココチモ事業では有力企業と組んだ商品開発を推進。開発、テストマーケティングに一定の時間がかかるため、来期をメドに各種プロモーションを含めた展開を検討する。
 
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