不振に店舗から厳しい声【auCLの桑田祐二新社長に聞く㊦】 “出口”としての役割強化
2024年 7月 4日 12:00
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――ライブコマースに注力しているが、成果はどうか。
「通常とは異なる顧客層の購入きっかけになっている。さらには、ライブコマースで購入した顧客のリピート率は、通常の顧客よりも高い」
――吉本興業と連携したライブコマースサービス「生配信!よしもと市場」も4年目を迎えた。
「新規顧客も獲得できているし、翌月購入率も通常の新規よりも高い。ライブコマース同様、ふるさと納税も買い物の動機が通常のECとは違うため、新規のリピート率が高い。両者とも競合に対抗できるレベルのサービスなので、今後も強化していきたい」
――ふるさと納税も返礼品数が大きく拡大している。
「トラストバンクと提携することで、紹介できる返礼品の幅は広がった。ふるさと納税で貯まったポイントをauPAYマーケットで使う顧客のリピート率は高い。ふるさと納税は、通常のECよりも質や産地にこだわって購入する顧客が多いように感じる。全国で信頼を得ている通信である、auの世界観との親和性が強いのではないか」
――今期の出店店舗向け施策は。
「データを見て店舗がオート販促できるよう、自動化を進めている。販促面では、『三太郎の日』など流通の波が立つタイミングで、店舗やメーカーと一緒にセール企画を行っている。最近ではエクスプライスと『春の家電祭』を行った。当モールは他モールよりも規模は小さいが、逆に特定の層にフォーカスしやすいという部分もあるので、店舗やメーカーと一緒に顧客を獲得していく、という立ち位置だ」
――店舗からauPAYマーケットに対する声は。
「去年不振だったことに厳しい声があった。まだまだauユーザーを取り込めていないとの意見だ。一方で、スマプレ会員など『auでないと捕まえられない』顧客へのアプローチや、Ponta経済圏の広がりに対する期待の声も寄せられている」
――今後の目標流通額は。
「数字は非公開だが、店舗に成長を実感してもらえるのが第一。顧客に満足してもらうことで、成長と成長速度という結果につながるので、そこに関してはこだわっていきたい」
――将来的な事業規模や立ち位置について。
「経済圏の中でコマースは外せないエリア。ユーザーが経済圏を使っていて良かったと感じられるようにしていく。その指標は利用者数や定着度合いなので、そういった部分を積み上げていく。今後経済圏が広がっていく中で、出口としてどんな役割を果たせるかが重要だ」
――今後の顧客拡大に向けて、若年層にアプローチしていく施策はあるか。
「現在の顧客層は40~50代が多い。いきなり飛び地の幅を広げるよりは、まだまだメイン顧客層を獲得しきれていないので、そこを獲得していきたい。そういったターゲット層は、家族に向けての買い物など、自分以外に対する消費も活発なので、伸ばしどころだ」(おわり)