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アマゾンジャパンが物流代行サービスを強化 大型品や危険物、ワイン定温管理なども対応へ

2016年 6月 2日 17:50

DSC00764.JPG アマゾンジャパンは展開するネット販売事業者向けの物流業務代行サービス「フルフィルメント by Amazon(FBA)」を強化している。大型品や危険物の取り扱いを始めたり、予約販売対応やワイン用の定温管理対応なども始める意向だ。出店者などを集めて5月27日に都内で開催した「Amazonセラーカンファレンス2016」で同社の星健一セラーサービス事業本部長(㊨写真)が明らかにした。FBAのサービスの幅を広げることで利用事業者を増やし、アマゾン全体の流通総額拡大につなげていきたい考えのようだ。

 5月中旬から従来まで未対応だった重量40キログラム、三辺合計200センチ未満かつ最長辺90センチ未満までの大型商品についてもFBA対応を始めた。これまでは重量30キログラム、三辺合計170センチが受入最大サイズだった。大型商品の対応開始で折りたたみ自転車やベビーカー、小型冷蔵庫などを販売する事業者もFBAを利用できるようになった。

 また、6月下旬にはこれまで特定の出品者に限定して試験的に行ってきた一部の危険物の取り扱いを本格的にスタートする模様で、香水や除光液など美容関連商品もFBA対象となる。

 このほか、FBAを利用する際に、アマゾンの物流拠点に商品を納品する時の当該商品の消費期限制限を近く現行の60日以内から30日以内に短縮して「よりフレッシュさが求められる食品などもFBAを利用して販売頂けるようになる」(星本部長)という。

 さらに発売日の数日前までにアマゾンの物流拠点に当該商品を納品しておくと発売日当日からすぐ出荷作業を行う予約販売への対応や、現状ではアマゾンの直販品でのみ対応中の専用倉庫でのワインの定温管理および保冷配送をFBAを利用する出店者のワインについても対応する試みもすでに試験運用中で順次、本格展開を始める意向だ。

 FBAはアマゾンが自社で培ってきた優れた配送の仕組みを活用して出店者の商品を発送するため、FBAの利用者が増えるほど配送リードタイムの短縮につながるなど全体の配送レベルなども上がり、流通総額アップに貢献することから、アマゾンではFBA利用者拡大に注力したい考えで、今後もFBAのサービスの幅や対応範囲を広げ、利用者数拡大を図りたい模様だ。

 また、FBAの強化と並行して米アマゾンではすでに実施しているFBA未対象商品で出店企業から発送する商品であっても、アマゾンからの発送と同程度の配送スピードなど一定の基準を満たした商品について、本来はアマゾン発送商品につける「プライムマーク」を当該商品にも表示する「セラー・フルフィルド・プライム」の日本での開始も視野に入れているよう。様々な試みで配送サービスレベルを高めていく考えのようだ。

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