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オットージャパン、「ファビア」の成長戦略は?㊤

2017年 3月 9日 09:58

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オットージャパンは、30代女性をコアターゲットにしたファッションブランド「FABIA(ファビア)」の次の成長フェーズに向けて、今期は初となる常設店を東京・表参道に開設するほか、商品面では今春夏シーズンからシューズの強化に本格着手。おしゃれで快適な"神パンプス"をキラーアイテムとして展開する。加えて、前期から強化しているウェブマーケティングの精度を高め、顧客の定着化を図る。

 「ファビア」の店舗展開については、2015年2月に有楽町マルイに期間限定店を開設して以降、各シーズンに渋谷ヒカリエShinQsや新宿マルイ本館、渋谷駅・東急東横店西館といった都内の大型商業施設にポップアップストアを開設して経験を積んできたが、今期は常設店を2~3店舗構えたい意向で、4月21日には表参道に1号店を開設する。

 当該店は旗艦店の位置付けで、当面は店舗の採算性よりも、ウェブを軸にしたブランドとして顧客に買い物を楽しんでもらったり、インフルエンサーを招いて情報発信を行うなど、コミュニケーションの中心的な場として活用する。今後は売り上げを重視する常設店も開発していくが、1号店はフラッグシップとしての役割を担うという。

 1号店の面積は約83平方メートルで、奥行きのある細長の店舗だ。入り口付近は服と雑貨を中心にレイアウトするが、店の奥と外に設けるデッキは女性の部屋のように作り込み、来店客がゆっくり時間を過ごせるよう、商品を置かないコミュニケーションスペースとする。また、大きなフィッティングルームやメーク直しができるスペースも用意し、お茶を飲みながら服選びを楽しめる空間を目指す。デッキはイベントなどにも活用していく。

 一方、ポップアップストアも展開エリアを変えながらノウハウを蓄積する。5月3~7日には大阪・梅田のルクア9階に出店。関西初進出のため、期間中に同じフロアで大型イベントを企画し、ブランド認知を高める。同店以外にも今春夏シーズンは4月に2週間、5月にも2週間のポップアップストアを計画する。

シューズを強化

 同社は13年2月に「ファビア」をスタートして4年が経過。順調に事業拡大しているが、「今期はブランド価値をさらに高めるためにも原点に返って商品開発を再強化する」(大久保武執行役員兼ファ
ビア事業部門長)という。一環として、今春夏はとくにシューズを強化する。

 働く女性を応援する「ファビア」のコンセプトに沿って、悩みのある女性が多いパンプスに着目。おしゃれと快適さを両立した"神パンプス"を3月後半に投入する。

 ラインアップは5センチヒールの「ポインテッドパンプス」と、8センチヒールの「プラットフォームパンプス」、ウェッジソールの「ウェッジパンプス」の3種類。

 全型共通で足裏と土踏まず、かかと部分に高反発クッションを配置して足をホールドするほか、甲の部分には伸縮素材を使って歩き出しをサポートする。地面に接するソール部分はスニーカーにも採用される素材を使うことで返りが良く、かかとが抜けず歩きやすいという。

 各型3色展開で、店舗限定色などを追加する予定だ。価格は税別7900円で、「ファビア」のほかのシューズに比べると少し高めの設定だが、おしゃれで機能を追求したパンプスとして価格以上の
価値があるとする。

 ウェブ上では他社媒体とのコンテンツコラボなどを展開し、従来はアプローチできていない消費者層との接点を作る。

 神パンプスの初年度は、「ファビア」のファッショングッズ内の売り上げ構成比25%を占めることを目指すという。

 なお、商品政策面ではライフスタイル領域に取り扱いアイテムを広げていく考えで、現状の「ファビア」に欠けている商品カテゴリーについては、外部メーカーとパートナー契約を結び、「ファビア」ブランドで生産してもらうことも視野にあるようだ。(つづく)


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