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パルコ 渋谷パルコにオムニショップ、大型モニターで商品検索、各店のEC在庫を販売

2019年12月 5日 13:35

 パルコは11月22日、リニューアルオープンした渋谷パルコの5階に11の小型店が入るオムニチャネルショップ「パルコキューブ」を開設し、リアルとデジタルが融合した新しい買い物体験を提供する。

 同エリアでは、パルコがオムニチャネルのインフラを整えることで、中小のショップでもオムニ化に取り組めるようにしている。

 エスカレーター横の共用部に設置された縦型75インチの大型モニター4台では11店舗のアイテムを検索できる(画像(上))。パルコキューブ内の各店舗にも49インチのモニターがあり、こちらは各ショップの商品だけを表示する。

 利用者は、モニターに表示されるQRコードをスマホのカメラで読み取ると、「パルコオンラインストア」のカート画面が立ち上がって大型モニターと連携する。同モニターで気になる商品を探し、「カートに入れる」ボタンをクリックすると、スマホのカートにも自動的に選んだ商品が入る仕組み(画像(下))。

 オンラインストアはブラウザーで起動するため専用アプリをダウンロードする必要がなく、気軽に試せる。

 11店舗は小型ショップのため、店頭では売れ筋商品や見せ筋のアイテムなどに限定して販売。取り扱い商品のサイズ感や素材感を確認してもらい、店頭にない商品は、各社の自社EC在庫とデータ連携したモニター画面から選んでネットで購入してもらう。

 受注情報は「パルコオンラインストア」から各ショップの倉庫に送られ、ショップの倉庫から直接、購入者に商品を配送する流れで、売り上げはパルコキューブ内の各ショップに計上されるため、実店舗の販売スタッフは積極的に自社ECの豊富な在庫を販売できる。

 通常、ECを利用する際は気になった商品をとりあえずカートに入れるユーザーも多いが、リアルのファッションビルなどでは、テナントを横断しながら気になったアイテムをカートに入れて最後に欲しいものだけを買うという行動はなかなかできない。

 パルコキューブでは、各ショップで試着した商品などを「パルコオンラインストア」のカートに入れて後でじっくり考えることができるほか、店頭に欲しいサイズやカラーがなくてもEC在庫を活用できるため、売り逃しの軽減につながると見ている。

 パルコはオムニショップの仕組みを通じて商品の閲覧データや購買データなどを蓄積して各ショップにフィードバックするほか、来店客の利用状況などを検証後、21年春に開業予定の大阪・心斎橋店舗への導入も検討している。
 
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