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広告7要素に注意促す【「事後チェック指針」の合同説明会】 消費者庁の西川課長「適正表示努める企業はパートナー」

2020年 2月13日 13:45

 消費者庁は、1月に公表した「事後チェック指針」で、機能性表示食品の広告で注意が必要な7つ構成要素を示した。1月28日、日本通信販売協会をはじめ業界5団体が行った合同説明会には、同庁の西川康一表示対策課長が参加。「指針に基づき自主的に適切な広告表示が行われることを強く期待する」と話した。参集した事業者に対しては、「消費者庁とともに適切な表示をつくり上げることができるパートナー」と踏み込んだ。一方、「儲けるために消費者を騙す悪質事業者には引き続き厳しく対処する」とした。

 指針は、景品表示法上の問題の透明性確保を目的に策定された。景表法上のリスクは主に、「科学的根拠の妥当性」と「届出表示と広告表現のかい離」の2つの問題から起こる。

 今後、消費者庁は、業界5団体が組織化を目指す第三者機関と連携しつつ、科学的根拠について生じた疑義に対処する。広告上の問題は、相談窓口の設置を求める。定期的に目線合わせを行い、各団体が事前相談を行うことで、違反のおそれがある事例に注意を促す。

 消費者庁が注意を促す広告の要素は、「解消に至らない身体の機能等に関する問題事項の例示」、「実験結果、グラフ」、「医師や専門家等の推奨」、「体験談」、「届出表示の言い切り表現」など7つ。

 説明に立った同庁の田中誠表示対策課特命室長は、機能性表示食品について、「ドイツの『アウトバーン』ではない。エビデンスには最低速度制限、広告には最高速度制限がある」と説明。広告の7要素は、「とくに事業者がアクセルを踏みやすい部分」とする。ただ、「手法そのものの否定ではなく、これら手法を使った表示内容は強く消費者に訴える。各要素を多用することで積み上げになり、消費者の期待が膨らむことを十分意識してほしい」と話した。

 指針では、これに基づく表示に対する景表法上の取締りに関する方針も明記した。機能性表示食品の科学的根拠について、第三者機関等の客観的評価により合理性を欠いているものではないと判断されるものは、景表法上の問題として取り扱わない。また、新たな科学的知見により、届出後に根拠資料が科学的な合理性を欠くことが判明した場合も、速やかに届出撤回の対応を行った場合は、同法の問題として取り扱わないとした。届出資料の形式的不備も同法の問題として扱わない。

 一方、完全に届出の逸脱になるものについて、「疾病の予防・治療など医薬品の世界に踏み込む暗示や間接的表現、体験談。医薬品と機能性表示食品をすみ分けている点を理解し、その点は十分配慮してほしい」と注意を促した。

 日本通信販売協会と健康食品産業協議会が策定を目指す機能性表示食品の「公正競争規約」についても言及した。

 西川課長は、「規約を遵守すれば自動的に景表法だけでなく、ほかのルールを守ることになる。これに向けて足並みを揃えてほしい」と話した。田中室長は、「これからは事業者が自主管理を推進し、自らの取り組みで信頼を勝ち取る時代。ただ、ルールなき世界に信頼は得られない。自主規制の取り組みは消費者の合理的な商品選択につながる」と規約が時代の流れに沿ったものとの考えを示した。

 
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