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ECの新規比率高まる【注目企業の通販戦略 青山商事㊤】 50%近い水準で、今後も伸長

2022年12月 1日 11:00

 青山商事では、OMO戦略の強化を進める中で、ECでの新規顧客の割合が年々拡大している。それを受けて、ネット上での買いやすさを担保する仕組みも相次いで導入。実店舗とECの併用者を拡大させることにも成功しており、好循環を生み出している。

 今上半期はコロナの感染状況の変化に伴いテレワークの機会も限られてきたことから、ECでのビジネス需要も回復し、スーツやシャツ、レディースの主要3アイテムがけん引した。低価格帯から高価格帯まで満遍なく動いたという。実店舗と比べ、ECの方がやや低価格帯の商品が強かったもよう。特にセットアップで1万円以下の「ゼロプレッシャースーツ」が若年層を中心にECでヒットしたことも起因している。

 その、一方でアダルト向けのスタンダードなスーツも好調に推移。コロナ禍のこの1、2年間でスーツを買い控えていた顧客の反動需要があったと見ている。同様の理由で、冠婚葬祭の機会も徐々に戻りつつあることから、フォーマル商品も売れていった。

 また、この数年間でOMO戦略を本格展開したこともあり、ECの顧客層では新規の割合が年々増加している。700店以上を全国展開し、多くの来店客を抱えている同社がオンラインを強化したことでリアルとネットの併用顧客が拡大。ECの新規比率を底上げしている。加えて、ウェブ広告の在り方も見直し、SNSを積極活用することで、今まで取り切れていなかった20~30代も多く獲得できるようになった。

 その結果、現在では「洋服の青山」のEC購入の50%近くが新規となっており、まだまだ伸びしろが見込めるとしている。

 さらにOMO戦略の一環として、近年注力しているのが、ECでの先行発売や限定商品だ。実店舗とECのどちらでも買いやすいようにした環境作りはもとより、ECでの先行・限定商品を意図的に増やすことで、ファンが通販サイトを積極的に見るきっかけになるとも考えている。現状、新商品については基本的にECでの先行発売を進めていくようにしているとした。

 そのほかにも、全店舗で一斉販売する前にトライしてみたい企画商品などをECで先行発売している。直近ではエコ素材を使った新商品などを取り扱い、ウェブでの反響を見ている。

ビジカジ路線は今後も注目

 商品戦略としては、引き続き「ビジカジ」の販売を強化していく。同社によると、ECでのアパレル商品の買いやすさにはサイズの見せ方が大きく関わっているという。

 一般的に、カジュアル商品については端的に、S・M・Lという表記で分かりやすいが、スーツの場合は独特のサイズ感やカテゴリー分けとなっている。スーツについても、今は単純な表記の方がネット上で買いやすいという層も出てきていることから、ビジカジ寄りの商品の需要が増えていると考えている。

 とは言え、従来のスーツのサイズ表記で買っている人も少なくないことから、現在は通販サイトで「マイサイズ」機能を提供。過去に購入した商品のサイズが登録されており、2回目以降の購入サイズが分かりやすくなっているようだ。

 このほかにも、ビジネスウェアのガイドライン情報をサイト内で掲載。種類やスタイルごとの着こなし解説などを発信している。

 合わせて、有人によるチャットボット機能も搭載。実店舗でのスタッフ経験がある担当者が、回答していく仕組み。10月にはここにAIを組み合わせて、顧客の商品詳細ページに問い合わせを受けた商品に関連するコーディネートの提案画像を表示できる機能も取り入れている。

 なお、公式アプリについては4月にお気にり機能を入れており、実店舗で見た商品のバーコードを読み込むことでお気に入りに登録されて、後にECからでも買えるようになっている。

 傘下ブランドの「ザ・スーツカンパニー(TSC)」と合わせて、今年9月末時点でのアプリ会員登録数は674万人で、前年から132万人増加。また、各種SNSやメールなどを合わせたデジタル会員数全体については前年比250万人増の1596万人に拡大している。(つづく)

 
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