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全日本DM大賞 freeeのDMが金賞、銀賞にアマゾンネットスーパー

2023年 3月23日 11:00

 日本郵便は3月17日、実際に送付されたダイレクトメール(DM)の中から優れたものに対して表彰する「全日本DM大賞」の今年度の受賞作品を発表した。最優秀に当たる「金賞グランプリ」は、freeeが広告主の作品(制作者はフュージョン)である「テンキーチョコで、上場企業の決算疲れをfreee!」が受賞した。
 







 同賞は2021年4月1日~22年9月30日までに制作されて実際に発送したDMを対象にしたもの。戦略性、クリエイティブ、実施効果の3つの観点から評価し、優れた作品を選出する表彰制度となっている。今回は712点の応募作品を対象にDMやマーケティングの専門家による審査を経て、金賞3作品の中から選出するグランプリ1作品以下、合計25点の作品を表彰している。

 グランプリ作品は、会計ソフトの認知向上と導入推進を目的としたDMで、上場企業の経理部員が1年で最も気が休まるタイミング(決算開示の3カ月後)に、ねぎらいの想いを込めて箱詰めのチロルチョコを送付する内容(画像)となっている。

 通販関連ではアマゾンジャパンが広告主の作品(同フュージョン、ディーエムエス)である「『話題のAmazonネットスーパー』利用促進DM」が銀賞を受賞。初回利用を促すため、DMを活用し、デジタル動画広告によって同サービスの認知が拡大したタイミングで、「Amazonプライム会員」で購買意欲が高いと考えられるセグメントにクーポンを同梱したDMを送付。クリエイティブでは、送付先の顧客が利用できるストアごとにカスタマイズし、あえて訴求内容をシンプルにすることでアクションにつなげたという。

 同じく銀賞では北海道産地直送センターが広告主の作品(同富士フイルムビジネスイノベーションジャパン、プラナクリエイティブ)である「レスポンス率1・5倍! 顧客セグメントに最適化したリピート促進DM」が受賞。顧客分析によるセグメントに応じたクリエイティブテストを行い、効果検証とブラッシュアップを繰り返し、勝ちパターンとなるクリエイティブを分析。大判DMも採用して、食品の写真を大きくすることでシズル感を伝え、顧客の目にとまるように工夫した。DM送付後にはアウトバウンドコールを行い、クロスセルにつなげており、従来比でレスポンス率(注文数)が1・5倍、購入単価では1・2倍に向上させることができたという。

 また、アシックスジャパンが広告主の作品(同富士フイルムビジネスイノベーションジャパン、フュージョン)である「ROI前年比125%! DMもWEBもパーソナライズ」も「審査委員特別賞 データドリブン部門」で銀賞を受賞。実店舗とECの顧客データを統合し、会員未登録者へ店舗顧客に会員登録を促すDMを送付し、ウェブアクセス時にはポップアップで登録を後押し。さらに、DM送付先のセグメントやクリエイティブを緻密に設計し、パーソナライズ二次元コードも記載して、送付後の効果測定と行動分析を行った。その結果、新規会員の獲得数は計画の152%、新商品の売り上げは発売から3カ月で計画比1・5倍、ROIでは前年比125%を達成したという。

 そのほか、「日本郵便特別賞 BtoB部門」を、ディーエムエスが広告主の作品(同ディーエムエス、藤代範雄デザイン事務所)である「商品を擬人化!『じむきょくん』がやってきたDM」が受賞。堅苦しい内容になりがちなBtoB向けシステム新商品のベネフィットをわかりやすく伝えるため、商品をキャラクター化して物語仕立てで訴求した内容で展開。絵本のような体裁のDMと、付箋や消しゴムなどデスク周りで使えるノベルティを同梱しており、DMの箱とリーフレットの目立つ場所には二次元コードを掲載して、見込み客をLPに誘導した。結果的に発送から1カ月で初動5・89%のLP誘導と問い合わせを獲得したという。
 
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