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“商品+サービス”で新たな価値【村田峰人社長に聞く 日本直販の現状と今後】 組立て、使い方サポートなど好評

2023年 5月25日 12:00

 老舗通販企業の日本直販が昨夏にIT機器導入・運用支援、人材派遣、コールセンター運営などのBPO事業などを展開するギグワークスへ傘下入りしてから1年が経とうとしている。ギグワークスの社長で4月1日からは日本直販の社長にも就任した村田峰人氏に日本直販の現状の事業展開や今後の方向性などについて聞いた。










 ――昨年7月に老舗通販の日本直販と悠遊生活をそれぞれ買収、子会社化(同10月に存続会社を日本直販として合併)した。ギグワークスではそれまで通販事業を手掛けていなかったわけだがなぜグループに両社を傘下に加えたのか。

 「当社では長らく多くの通販企業からコールセンター業務を受託し、受注業務あるいはクロスセル業務などを手掛けてきた。そういった意味では通販で必要なノウハウは少なからずあり、通販事業を自分たちで直接行うという流れは自然だった。(買収先として)日本直販や悠遊生活を選んだのは老舗の通販企業として長年、商売をしてきた中で、当社がターゲットとしたい層のお客様を多く持っていたということが大きい。また、日本直販と悠遊生活の2社を買収したことで倉庫やコールセンター、カタログ制作などの機能を1つに束ねられ、その分、コストの削減が可能になる。紙媒体やテレビショッピングで以前から商売をしてきた老舗通販はEC事業者に押され、元気がないが、コストを下げて収益体制を改善し、そこに当社グループならではの付加価値を加えることでまだまだ戦うことができる。EC事業者ではできないような通販事業を展開したいと考えた」

 ――EC事業者にはできない通販事業とは。

 「ギグワークスにはBtoB事業のBPO業務に従事しているギグワーカーと呼ばれる人材が全国におり、このギグワーカーが稼働することで『商品+サービス』という付加価値をつけ、新しい形の通販ができるのではないかと考えた。実際に昨年9月から日本直販で新たなサービス『訪問お手伝いサービス』を開始した。これはギグワーカーをスタッフとしてお客様宅まで派遣し家具など商品の組み立て・設置やスマートウォッチなどの初期設定や使い方サポートなど行う一律4980円の有料サービスだ。あまり告知などをしていないにも関わらず多くの皆様にご利用頂け、お客様からも非常に喜ばれている。世の中には様々な商品があるが、使うまでに準備が必要だったり、使い方がよく分からないなどお客様によっては買ったものの、持て余してしまう場合も往々にしてある。特に高齢層であればなおさらだろう。お客様へモノをお届けするだけではなく、必要なサービスも一緒に届けたい」

 ――現状の日本直販の業績は。

 「倉庫やコールセンターなどの機能を一本化したことによるコスト削減は徐々にだが、目標としている数値の達成に向けて確実に効果が出てきており手ごたえを感じている。売り上げに関してはどの程度、広告宣伝費をかけるか次第というところだ。例えば昨年12月に販売したカニや5月の『母の日』に合わせて販促を強化したマッサージチェアなどは非常に売れ行きが伸びてきている」

 ――4月1日から日本直販の社長に就任し、自ら同社の舵をとることになった。

 「もともとグループ一体で通販事業を行いたいという考えがあったのだが、ChatGPTの登場などAIの急速な普及による危機感もきっかけとしてあった。当社が本業としているIT機器導入・運用支援、営業・販売支援、人材派遣、開発、コールセンター運営などのBPO事業は恐らくこれからAIに置き換わっていき、影響を受けるはず。そういった中でいうとAIの普及に左右されない自前のデータを持つビジネスは魅力的だ。当社グループで言えば、日本直販が持つデータだ。ここを中心に広げていきたいと考えた。そのためにはグループのリソースを有効活用する必要があるため、私が日本直販の社長も兼務した方がスピードも早めることができるということもあり、そういった体制をとることにした」

 ――今後の方向性は。

 「今期はこれまでできていなかったクロスセルを強化していく。例えばマッサージチェアを購入されたお客様は腰痛があるなど、何らかの問題を抱えられている方のはずで、健康食品や姿勢を正し腰痛を緩和できるようなサポーターなどのニーズもあると思うが、これまではあまりそういった商品のラインアップは行ってこなかった。そういったこともこれまで業績が安定しなかった要因だと思う。今後は売れ筋商品を中心に、関連するような商品を増やしたい。

 また、お客様から電話でご注文を頂く際に、これまではBtoB業務の一環として、他社の商品をお客様にお勧めすることはあったが、自社のそういった商品もお勧めしていきたい。あるいは『訪問お手伝いサービス』でお客様のお宅に訪問した際に、ご提案や受注を取るような形をやっていき、LTVをあげていく施策を進めてきたい。今期(2023年10月期)の売上高は65億円程度を見込んでいる。

 中長期的な方向性としては物販にとどまらず、例えば、先ほどの『訪問お手伝いサービス』の延長線上としてギグワーカーがお客様の自宅に訪問して骨董品の買い取りを行なって商品の再流通を促したり、『訪問お手伝いサービス』で商品の設定や使い方サポートを行う仕事をお客様に斡旋するような高齢者の社会参画促進のための雇用のお手伝いなどにも取り組んでいければと考えている。

 通販事業に関しても今後、さらにいくつかの通販企業を買収していく方針だ。高齢者層だけでなく、主婦層や子供向けなど特定の顧客層をターゲットに展開する通販企業を買収して、重複機能などを統合するなどして筋肉質にして付加価値をつけながら展開していくことで業績を高めていく。当社とともに事業を強化していきたい通販企業はぜひお声がけいただきたい」


 
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