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ソーシャルインテリアの家具サブスク 法人需要が業績をけん引、受発注業務のDX化に着目

2023年 8月31日 12:00

 家具・家電のサブスクサービスなどを手がけるソーシャルインテリアは、法人のサブスク利用がけん引して業績を伸ばしている。8月23日には家具業界の受発注業務をDX化するサービスを開始。家具のプラットフォーマーとして循環型の社会作りに一層貢献していく。

 同社はこれまで、個人向けの新品家具・家電のサブスクサービス「サブスクライフ」(画像)と、アウトレット家具・中古家具の通販サイト「サブスクライフ オフプライス」のほか、家具のサブスクに加えてオフィス移転から空間デザイン、家具選定までワンストップでサポートする法人向けの「ソーシャルインテリア オフィス構築支援」を展開してきた。

 とくにサブスクサービスは、個人・法人向けともに支払い総額が定価を超えない月額制のサブスクサービスとして利用者から支持されている。

 例えば、個人向けの「サブスクライフ」で扱う商品はすべて新品で、利用期間は3カ月~24カ月の間で自由に選択可能だ。初期コストを大幅に抑えられるほか、商品破損時の補償もある。利用期間終了後は返却するか、定価との差額を支払うことで、そのまま使い続けることもできる。

 ただ、過去2年間の実績では、利用期間終了後に返却するケースは全体の8%程度と低く、「サブスクサービスといっても販売に近いビジネス」(町野健社長)とし、個人・法人向け合わせて約3兆円と言われる家具・インテリアの販売市場をターゲットにシェア拡大を図る。

 また、家具・インテリアは大型商品が多いため、自社で倉庫は構えずに注文が入った分だけメーカーに発注し、メーカーから直送する事業モデルとなる。

 家具の品ぞろえは低価格帯のブランドは取り扱わず、中高価格帯のブランドをそろえており、平均商品単価は10万円を超える。

 人気商品はブランド物の家具・家電で、家具であれば椅子とテーブル、ソファーのニーズが高い。ソファーや家電などは単価が高いため、初期投資を抑えられるサブスクに向いているという。

 個人の利用については男女比で大きな差はなく、年代も20~50代くらいまで幅広く、セグメントの片寄りが少ない。利用者の多くは月額費用が一番安くなる24カ月間で契約し、最終的に購入するケースがほとんどだ。

 法人・個人どちらも毎年、売り上げは倍増しているが、現状は法人向けの割合が高く、業績をけん引している。個人向けは広告投資が不可欠なため、まずは法人向けで市場を押さえ、信用力を高めた上で個人向けを強化する考えだ。

家具業界の課題をDXで解決へ

 足もとでは新たな取り組みとして、家具業界の受発注業務をDX化する新サービスを始動した。

 同社によると、家具業界ではメーカーが紙の商品カタログを発行し、発注側はカタログを見ながらメールや電話で注文するといったアナログの業務が常態化しており、受発注に手間がかかるという。

 そこで、家具業界向けに特化した受発注プラットフォーム「業務管理クラウド」を開発し、設計会社や販売店、メーカーへの提供を開始。ソーシャルインテリアは代理店の役割を担う。

 国内外のオフィス什器から業務用家具、海外ハイエンド家具まで国内最大級の商品情報データベースをもとに、スペックイン業務に必要な素材情報の取得や、複数ブランドをまたいだ見積もりまでの工程を効率化し、デザイン業務に集中できる環境を整える。

 同社自身がメーカーへの発注作業に手間を感じていたため、発注者・受注者の双方にニーズがあると判断し、DX化するサービスを開発した。メーカーにはデータ提供の形で協力を仰ぎ、約1年半前から数百万SKUの商品データ登録を進めてきたという。

 「業務管理クラウド」では商品の横断的な検索や在庫確認、張り地の選択、発注までできる。横断的な検索機能によって、発注者はこれまで取り引きのなかったメーカーの商品も比較・検討しやすくなる。

 契約者数は非公開ながら、サービスの出だしとしては受注率が約9割と高いようだ。利用料無料でスタートしているが、10月から有料化する予定で、新たな収益源にしていく。まずは、早期に国内で流通している家具の大半をデータベース化する方針で、家具のサブスクサービスとのシナジー効果も追求していく。

 
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