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アイ・エヌ・ジー・ドットコム SNSとコールの連携販促、芸能人起用の広告制作も提案

2023年11月30日 12:00

 コールセンター事業などを手がけるアイ・エヌ・ジー・ドットコムでは、専門企業と連携する形でSNSやウェブ広告などの販促支援メニューの拡充を図っている。既存のコールセンター領域とも組み合わせて、複数のチャネルを横断した一気通貫型の販促メニューを提案することで、クライアントの顧客獲得スキームを最適化していく考え。

 まず、今年より本格的に開始したのは「LINE」によるカスタマー支援。マーケティング企業であるクウゼンの専用拡張ツールを使うことで、性別や年齢など顧客属性を絞ってメッセージの出し分けが行えるもの。

 単にLINE上で企業側から一方的に情報発信するだけではなく、顧客からの質問にも対応する。その際にチャットボットによる自動応答や、詳細ページのURL添付などだけではなく、オペレーターによる人の手でテキスト入力の回答も行えることが特徴だ。チャットボットでは対応しきれない想定シナリオ外の質問などにも柔軟に答えられるほか、その後の購入に誘導するようなプッシュ型のアプローチも行えるとしている。

 同サービスに関して通販分野においては、キャンペーン情報配信からのECページへの送客などが一つの利用パターンとして考えられる。購買意欲が高い顧客ほど、LINEでの情報配信を受けた後はその詳細について確認しようとするケースが少なくないため、そこに人の手による手厚い応対を取り入れることで、より能動的に購入への後押しができると見ている。

ウェブ広告の制作・運用も

 また、今夏からはウェブ広告の運用支援サービスも開始した。広告事業を手がけるアドレクスと提携して行うもので、コールセンターとも組み合わせた独自のスキームでウェブ広告を提案している。

 具体的には、クライアント企業の顧客属性について、コールセンター業務を通じて集積したデータを基に、その特性や傾向などを分析。電話で受けた問い合わせ内容から見えてきた年齢ごとの身体の悩みや、より詳しい訴求が必要となる商品情報などを読み取っていき、それに呼応したクリエイティブでウェブ広告を作成。その運用設計まで細かく支援するという。

 加えて、同サービスではアドレクスを通じてテレビなどに出演している著名なタレントをイメージキャラクターとして広告物に起用することも可能となる。一般的にタレントを起用する場合は、大手広告代理店に依頼する必要があり、中には芸能事務所とのコネクションが無いと断られてしまうケースもしばしばあるという。同サービスでは初期費用はかかるものの、顧客獲得数に応じた成果報酬料金となっているため、通常よりは割安に利用できるとする。著名なタレントの素材をクリエイティブに活用することで、より人目につきやすく訴求性の高いウェブ広告ができるとしている。

3回以上の継続購入客の獲得も支援

 そのほか、直近で開始したサービスとしては10月25日より提供している「カウント3・0コール」がある。これは同社の提携先がアプローチすることができる通販企業の顧客リストに向けて、アウトバウンドコールなどを通じてクライアント企業の商品提案を行うもの。クライアントとしては大手メーカーのリピート通販を主に対象としている。初期費用のほか、こちらも獲得できた顧客の件数に対しての成果報酬型となっており、月間の獲得件数別の料金では、1000件獲得の場合が1件当たり1万9500円、500件獲得の場合は同2万1000円となる。

 最大の特徴は、1回限りしか購入しない顧客ではなく、最低3回の継続購入を行う顧客を獲得することを前提としていること。仮に獲得した顧客が2回以内で途中解約した場合は、成果報酬を減額する仕組みとなっている。

 とりわけ、知名度が高いメーカーであり、かつ化粧品や健康食品といった年配の生活者向けの商材ほど同サービスとの相性が高まるようで、過去には同様の仕組みのサービスで導入企業のCPOを20%削減したり、LTVが20%以上アップした事例もある。

 「通販企業の案件では、基本的にリピートさせることを当たり前として(コールの)業務を請け負ってきた実績がある」(澤田英士社長)と説明。継続購入させるための接客のノウハウに特化したベテランのオペレーターを多数配置していることに加え、独自のシナリオ設計を強みに長期的な関係を築けるサポートを行っていく。

 なお、同社では主力のコールセンター業務において、昨年より24時間の受注にも対応できる拠点を開設したほか、薬剤師資格を持ったスタッフによるオペレーター対応なども展開予定。通販業界向けに特化した支援メニューを着々と拡充しており、同分野での新規開拓を目指している。
 
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