〈モビルスなど3社カスハラ調査〉 電話待ち時間が発生起因に、苦情が起こる境界線は「3分」

2026年10月14日 15:48

2026年10月14日 15:48

 コンタクトセンター向けのAIサービスなどを手掛けるモビルスは10月1日、AI関連事業のIVRy、やRightTouchと3社合同で、カスハラに関する調査結果を発表した。それによると、問い合わせ電話での待ち時間など企業側の対応の不備をきっかけにカスハラが生じている可能性があることが分かった。


 同調査は全国の20代〜60代の生活者550人と、顧客対応従事者440人を対象にしたもの。まず、生活者が、電話問い合わせでストレスや不快さを感じた場面として最も多かったのは「電話がなかなかつながらない」で60.4%。次いで「担当者を何度もたらい回しにされる」が42.4%となった。「特に感じたことはない」は6.4%にとどまり、電話問い合わせ経験者の9割以上が何らかのストレスを感じた経験を持つ結果となった。待ち時間やたらい回しという「仕組みの壁」がカスハラを誘発させている〝誘発型カスハラ〟の可能性が生じているとした。

 最も強く苛立ちを感じる対応チャネルは「電話」で37.5%。次いで「チャット」が21.3%、「メール」が18.7%だった。リアルタイム性が高く、相手と直接やり取りする電話は、つまずきがそのまま感情に直結しやすいチャネルになるとしている。

 電話の待ち時間による苛立ちの限界点としては、「3分」が33.8%で最も多く、次いで「5分」の25.3%、「10分以上」の17.3%と続いた。「30秒以内」、「1分」、「3分」を合わせると52.2%となり、半数以上が3分以内で苛立ちを覚えると回答した。

 一方で、顧客対応従事者に、自社の案内フロー・仕組みの不備が顧客の怒りの引き金になる実態があるかを聞いたところ、「よくある」が13.5%、「たまにある」が38.3%で合計51.8%があると回答。顧客個人の問題にとどまらず、企業側の対応にも起因している実態があるとしている。

 また、カスハラ被害経験については、「日常的にある」が13.0%、「時々ある」が50.3%となり、合計では6割以上。「一度だけある」も20.3%だったため、合計83.5%がカスハラ被害の経験があると回答した。

 電話応答開始前から感情悪化や怒りの蓄積があったかについては、「よくある」が10.8%で、「たまにある」の45.0%と合わせて5割以上が、電話に出た時点ですでに顧客が感情的になっていたと感じた経験があると回答。

 関連して、待ち時間が引き起こす強い口調や苦情の境界線としては、「3分」が34.8%で最も多く、次いで、「1分」と「5分」がともに18.3%で続いた。「30秒」、「1分」、「3分」を合わせると57.4%となり、半数以上が3分を超えると強い口調や苦情が増えると回答。生活者もほぼ同じラインを限界として認識していることが分かった。

 そのほか、AI応答などの導入による初期対応での心理的負担の軽減効果に関しては、「かなり軽減される」が8.8%となり、「多少軽減される」の40.8%と合わせて5割近くが軽減されると回答した。

 なお、カスハラ対応による退職・異動への影響として、「すでに退職・異動を考えたことがある(実体験あり)」が10.3%あり、「きっかけになると思う」の54.8%と合わせると6割超が、その影響を指摘している。

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