百貨店各社の歳暮商戦がシーズンイベントに変化、カジュアル化や自宅用に対応

2026年11月04日 16:08

2026年11月04日 16:08

 百貨店の歳暮商戦が本格始動している。各社とも大切な人に贈る王道の〝間違いのない贈り物〟を取りそろえた上で、ギフトのカジュアル化や自宅用、自分へのごほうび需要に応えた商品開発を重視している。今年の歳暮商戦のトレンドを見ていく。


1105151551_6aec1f17636e7.jpg 高島屋は、歳暮を儀礼的に捉えるのではなく、自宅用としてお取り寄せ感覚で楽しんだり、年末年始の帰省や身近な人へのカジュアルギフトとして利用したりする人が増えていることを受け、歳暮を「この時期ならではの限定品」「今だけ・ここだけしか出会えない美味しいグルメ」が一堂に集まるシーズンイベントとして捉え、店頭で約2000点、通販サイト「高島屋オンラインストア」では最大約3800点の豊富なラインアップを用意した。

 今年は円安や原油高などを背景に、海外旅行に代わる楽しみとして、旅行気分を味わえる「パスポートのいらない、アジアグルメ旅行」を特集し、旅する気分を楽しめるギフトを提案。カタログ「テイスティーデイズ」では、予約制の人気ビリヤニ専門店の味を自宅で楽しめる「〈ビリヤニ大澤〉チキンビリヤニ」(税込6264円)や、博多の焼肉店の人気メニューを詰め合わせた「〈博多・大東園〉冬の大東園詰合せ」(5400円)などを販売する。

 さらに、同社バイヤーがこだわりの美味を取りそろえた人気特集「美事(みごと)を贈る」をはじめ、高島屋でしか手に入らない限定品の新作なども届ける。

 三越伊勢丹は、歳暮が形式的な贈答から相手の暮らしや気分を豊かにする贈り物へと変化していることや、カジュアルギフトや自分へのごほうび需要が広がっていることから、2026年の歳暮は〝時間を贈る〟機会として提案する。

 こだわりの一杯が生む豊かな時間に着目したコーヒー、産地や作り手の物語まで届ける国産ナッツ企画、モノだけでは終わらない体験型ギフトの3つを柱に三越伊勢丹らしい歳暮の形を発信する。

 とくに、コーヒーは世代を問わず、選ぶことや味わうこと自体を楽しむ文化として広がっていることを受け、今年の歳暮ではコーヒーの品ぞろえを2ケタ増に拡充。日常使いの商品に加え、高価格帯である1万円台のギフトも充実させた。

 バリスタ世界チャンピオンの粕谷哲氏が率いるコーヒー店フィロコフィアの「〈フィロコフィア〉ディップスタイル 世界チャンピオン厳選コーヒー3種ギフト」(7733円)や、「猿田彦珈琲」のギフトに加え、「キャピタル」と元プロ野球選手のアレックス・ラミレス氏による限定商品も展開。ギフトセンターのオープン1週目には、コーヒーを味わえる「ふゆカフェ」を開催し、11月4日にはラミレス氏も来店した。

 東武百貨店は、10月13日から「東武 冬の贈り物2026お歳暮」のネット受注を開始したのに続き、旗艦店である池袋本店では11月5日から催事場にギフトセンターを開設する。

 今年は〝贈る〟だけでなく〝自分を労う〟に注目し、「ごほうびGIFT」の展開数を前年の2倍に拡大する。

 近年、慣例的な定番ギフトを贈る習慣からパーソナルなギフトを贈る習慣にニーズが変化していることから、自分用のご褒美にも話題性やトレンド感のあるラインアップのギフトを提案。「中島大祥堂 丹波お重仕立てのモンブラン」(4860円)や「食のかけはしカンパニー くれよんみたいなソーセージ」(4860円)などを紹介する。

 また、毎年好評を得ている、作り手が技と知恵を駆使して磨き上げた美味を特集する「逸品伝心」を前年から5%増やして展開するほか、贈ることで社会貢献につながるSDGsのギフト特集「未来にうれしい贈り物」を今年も提案する。

1105151612_6aec1f2c276a3.jpg そごう・西武は、冬のギフトで年末年始の食卓を華やかに彩る「鍋ギフト」を強化する。歳暮として大切な人に贈るだけでなく、家族や親しい人が集まる機会のごちそうや、自宅で楽しむ冬のぜいたくとしても選びやすい鍋料理に着目。「十鍋十色」をテーマに日本各地の特色ある鍋をはじめ、トレンドでもある〝香り〟を楽しめる鍋を筆頭に51種類を取りそろえた。

 フレンチレストランが手がける「千葉館山 レストランヤマグチ/トムヤムクン鍋」(8640円)や、創業120年の老舗による「近江懐石 清元/近江牛実山椒鍋(蕎麦付)」(1万6200円)などを提案する。

 同時に、そごう・西武では体験に価値を見出す消費傾向が見られる中、冬のギフトとして成長しているクリスマススイーツにも注力。遠方にも届けられる冷凍ケーキではプチガトーの詰め合わせや、グルテンフリーのケーキなどバリエーションを広げた。また、クリスマス期間を楽しむ習慣の広がりに合わせてアドベントカレンダーやシュトーレンも強化。関連ギフト全体で前年の2倍を展開する。

 近鉄百貨店は、10月14日から通販サイト「近鉄百貨店ネットショップ」で歳暮商戦となる「2026近鉄 冬の贈りもの」をスタートし、同月28日には、あべのハルカス近鉄本店など計7店舗を皮切りに各店での店頭受注を開始する。

 同社は〝大切な人とつながる〟をテーマに、贈り物をカジュアルなコミュニケーションとして活用してもらうことを想定。消費者の多様な利用シーンに細やかに応えられるよう歳暮商戦としては初となる3冊のカタログを用意した。

 「冬の贈りもの」本冊では王道のギフト需要に、冊子の「冬のごちそうグルメ&お買得品」は自家需要に、「あま~い、幸せ。」はスイーツに特化して年末年始の手土産需要にそれぞれ応える。

 本冊では店頭で好評の地方創生プロジェクト「ハルカス・ニッポン博覧会」連動グルメをカタログで展開。北海道の食として「〈ヤマチュウ〉昆布〆アワビ入り粒ウニ」(1万1301円)や「蟹ギフトセット」(1万8001円)などを提案する。また、地元愛を贈る「近鉄百貨店ゆかりの地 うまいもの探訪」を府県別に特集する。

 「冬のごちそうグルメ&お買得品」では、拡大する冷凍市場に対応する「冷凍ストック」のほか、会話のきっかけにもなる新特集「みんなで囲む個包装のたっぷりおやつ」を、「あま~い、幸せ。」ではスイーツバイヤーが選び抜いたとっておきの「スイーツ」を紹介する。

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