ファンケルが肌専門AIを無料提供、アプリ通じ顧客と継続的接点

2026年11月04日 16:18

2026年11月04日 16:18

 ファンケルは、肌専門のAIを自社のアプリケーションを通じて無料提供する。今年3月、直営店で無料提供を始めた肌の角層解析サービスは、体験者がのべ10万人を超えた。アプリを通じて日常的な肌悩みに応え、顧客と継続的接点を築くなど関係の深化、ブランドイメージの浸透を図る。


1105151028_6aec1dd45f626.jpg 新サービス「FANCL SKIN MATE(ファンケル スキンメイト)」(=画像)は、AIチャットによる対話、顔画像解析で肌状態を把握する。キメやうるおいなど6項目の肌状態について独自基準で設計したスコアで示す。化粧品の専門知識やこれまでの研究知見、100万人以上のカウンセリングデータや相談対応の知見を学習したAIが、肌悩みに応じたスキンケアやインナーケア、生活習慣のアドバイスを行う。

 今年3月に導入した「スキンパッチ」は、独自の角層解析技術を使い、現在の肌状態や将来の肌リスクを可視化し、無料提供する。体験者はのべ10万人(今年10月時点)を超え、店舗の新規顧客数も20%増と好調に推移する。「想定以上の推移。体験者の半数以上は、初めてのユーザーでリアルで新規顧客との接点は増えている。若年層、男性の利用など客層の広がりもある」(三橋英記社長)と評価する。

 一方で、サービスは直営店約150店の提供に限られ、継続的な接点を築くことが課題だったとみられる。「スキンメイト」の導入で、時間や場所を問わず日常的に相談対応することで、顧客の〝専属パートナー〟として肌ケアや生活習慣の悩みをサポートする。「スキンパッチ」の肌データと連携することでより精度の高いアドバイスを受けることができる。

 「スキンメイト」を通じて得た顧客の購買・行動データは、マーケティングや研究、商品・サービスの開発に活かしていく。

 ファンケルは、通販チャネルの売り上げが総売上高の約半数を占める。アプリのユーザー数は開示していないが、通販チャネルのうち多くをアプリを通じた購入が占めている。

 ファンケルは長期経営構想「ファンケル・ビジョン2035(FV2035)」で、美と健康の「不」を解消してくれる最も信頼できるブランドとなることを目指している。


新サービスの狙い

「ブランド信頼の第一歩」
ファンケルらしい応対強み


1105151036_6aec1ddcb532d.jpg ファンケルの三橋英記社長(=写真)に展開の狙いを聞いた。(報道陣との一問一答)

◇

 ――「スキンパッチ」展開の評価は。

 「10万人以上に体験いただき、必要なケアだけを選択してもらいたいという企業姿勢に対する評価は手応えを感じている。一方で店舗にアクセスできないお客様がいた側面はある。より多くのお客様の肌悩みに寄り添いたい思いで開発した」

 ――これまでの通販モデルはレスポンス広告主体だった。どう転換しようと考えているか。

 「顧客のブランドに対する認識を変えたいという思いもあり、上半期にテレビなどマス広告を増やした。ただ、『スキンメイト』はオンラインが重要な接点。レスポンス広告と連動した展開が必要になる。『スキンメイト』がレスポンス広告に変わる役割を果たせるか、ブランド広告とのバランスの最適化は試行錯誤している段階だ」

 ――電話相談の減少で顧客の悩みを把握しにくいなど課題感はあるか。

 「コロナ以後、オフラインの入電、問合わせが完全に戻っていないのは業界全体の状況だ。ただ、そのための導入や店舗活性化のためではなく、お客様に寄り添う接客スタイルはハイエンドの他ブランドと比べてもユニークであり、強み。これにフォーカスしてイノベーティブなサービスを提供できるか考えた時、最高のブランド体験を届けるのが店舗の役割と再定義し、お客様自身の肌の本当のことを知ってもらうことが信頼の第一歩という結論に至った」

 ――サービスのポイントは。

 「個人的には単に正解を示すのではなく、ファンケルらしい寄り添い方にこだわった。カウンセリングを怖いと感じられる方もいる。最初にグッドポイントを褒めてくれて気持ちが高まったという声もある。スキンメイトの開発でもその知見は活きている」

 ――AI活用に対するスタンスは。

 「経営の観点では、業務効率、価値創造の両面がある。社内でも部門横断でデジタル戦略推進に向けた複数の実証を走らせている。AI活用はあくまで手段。スキンメイトを短期間で提供できた意味では活用でスピードは今後も上がっていく。社内でも拙速でよいのでスピード重視でいこうと話している」

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